帝国器材が福島工場に日本初のパワフル簡易製材機を導入

帝国器材が福島工場に日本初のパワフル簡易製材機を導入

“木材コーディネーター企業”としての成長を目指している木製家具メーカーの帝国器材(株)(東京都足立区、大原和子社長)は、福島県二本松市の福島工場に大径材も挽ける「簡易製材機」を導入した。地域材の利用を進める上で欠かせない“フレキシブルな加工能力”を自社で高めていくことにしている。

福島工場に設置した簡易製材機は、米国ウッドマイザー社製のLT70で、2月上旬から使用している。通常のウッドマイザー社製の簡易製材機とは異なり、ガソリンではなく工場の動力で稼働するパワフルなマシン。長さ6m、直径95cmまでの丸太(原木)が加工できる。日本には初めて輸入された。

同社企画開発部の中野喬介氏は、「地域材を使おうとしても、近くに製材所がないなど加工面で二の足を踏むケースが多い。伐出作業は地元の森林組合などにお願いし、加工から木工事までを弊社が引き受けることで細かいな注文や納期などの問題をクリアしていきたい」と話している。

同社は、主軸事業の1つとして「既存樹利用プロジェクト─ibuki─」を展開しており、広葉樹が大半を占める記念樹や街路樹などを壁面レリーフや家具、小物などに加工するサービスを行っている。広葉樹材の加工となると、針葉樹材以上に対応できる製材所が少なく、チップ材などとしての利用にとどまっている現状がある。中野氏は、「広葉樹材も含めて大径材から小径材まで柔軟に加工し、付加価値を高めていく」と意欲をみせている。

(2022年4月1日取材)

(トップ画像=福島工場で稼働しているウッドマイザー社のLT70)

『林政ニュース』編集部

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