国有林材供給に“平時”で初の「予防的措置」導入、需要停滞に対応

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国有林材供給に“平時”で初の「予防的措置」導入、需要停滞に対応

林野庁は、住宅着工戸数の減少や合板工場の減産などで木材需要が停滞していることを踏まえ、国有林材の供給量を弾力的に調整する「予防的措置」を導入する。契約済みの立木販売物件について、1年間を限度に搬出期間の無償延長を認め、市況への影響を抑制できるようにする。コロナ禍に見舞われた2020年度に緊急的に同様の措置*1をとったことはあるが、“平時”での導入は初めてとなる。7月22日までに各森林管理局が「予防的措置」をとることを明らかにした。

併せて林野庁は、供給調整の新手法として、森林管理局の管轄区域を超えて国有林材を広域的に流通させる仕組みを検討する。まず試行的取り組みとして、北海道森林管理局と東北森林管理局が7月に行うシステム販売の公募で、他局管内を供給先に含む企画提案を受け付ける(各局1物件)。製材工場等の大規模化で原木の集荷範囲が広がっている実態にあわせて、国有林材の付加価値を高められる適時適量販売の体制づくりを目指す。

国有林材は、国内原木生産量の約2割を占めており、その供給量の多寡はマーケットに対して一定のアナウンス効果を持つ。現在は、全般的に市況が沈滞気味であることに加え、花粉症対策でスギの伐出量が増えるとの見通しもあることから、林野庁は先手を打つかたちで国有林材の供給調整に踏み切ることにした。

(2024年7月22日取材)

(トップ画像=国有林材の供給調整の経緯、林政審議会(2023年12月21日開催)配付資料)

『林政ニュース』編集部

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