国内生保最大手の日本生命保険相互会社(大阪府大阪市、清水博社長)が営業拠点の木造・木質化プロジェクトを本格的にスタートさせている。
同社は、昨年(2023年)10月17日に農林水産省及び環境省との間で「建築物木材利用促進協定」*1を締結し、営業職員が勤務するオフィスなどを地域材によって建て替えていく計画を発表。全国で100物件を木造・木質化し、約4,800m3の地域材を利用するとの目標を設定した。
その第1号物件が群馬県富岡市内に完成し、5月1日にオープンセレモニーが行われた。6月中旬には、同県沼田市内に第2号物件ができ、2030年度までに100物件の木造・木質化を達成する予定。同社不動産部店舗企画室の田島清史室長は、「木造は鉄骨造などと同じ程度のコストで建築でき、営業職員からは温かみがあってリラックスできるという評価が出ている」と話している。木造・木質化する営業拠点は、太陽光発電を利用し、脱炭素化等に関する認証取得を標準とする。認証番号などを表示する木製プレートには、「ニッセイの森」*2*3から出た間伐材を使用する。
富岡市内にオープンした営業拠点は、木造1階建てで、延床面積は約260m2。木材使用量は51m3で、約8割にあたる43m3は地元・妙義山のスギを用いている。
オープンセレモニーで挨拶した同社の大澤晶子・取締役常務執行役員は、「外装や内装において木(もく)の現(あらわ)しをふんだんに用いている。木造建築物の良さを感じていただくことを通じて、環境保全や林業の活性化につながっていくことを期待している」と語った。
(2024年5月20日取材)
(トップ画像=群馬富岡オフィスの内部、画像提供:日本生命保険相互会社)
『林政ニュース』編集部
1994年の創刊から早30年! 皆様の手となり足となり、最新の耳寄り情報をお届けしていきます。