熊本県の八代地域木材需要拡大推進協議会(黒木信夫会長)と水俣・芦北地域木材需要拡大協議会は、中大規模建築物への地域材利用促進に向けた啓発セミナーを2月4日に芦北町の総合コミュニティセンターで開催し、両協議会の会員や自治体関係者など約50人が参加した。
同町では、基本方針である「地域活動と雇用を生み出す産業づくり」の一環として1999年度から公共建築物の木造・木質化を進めており、県のコンクールで何度も受賞するなど実績を重ねている。
2月4日のセミナーでは、町有林からの伐出材を構造材と内装材に利用した町立佐敷小学校や、集成材やCLTを用いた令和2年7月豪雨の災害公営住宅などについて同町の担当者が事例紹介し、森林づくりから建築・施工に至る関係者が打ち合わせと情報共有を十分に行うことでプロジェクトが円滑に進むと述べた。
また、構造材にBP材を用いた総合コミュニティセンターの交流ホールや木のおもちゃ広場、図書館を見学し、TKS工法によって開放的な空間を構築しており、町内外の利用者からも好評を得ていることなどを伝えた。
その後、(株)ジメントの取締役設計部長でNPOモクラボ九州人の理事でもある真道吉広氏が講演を行った。
真道氏は、労務費や資材単価の上昇で建築費が高くなっているが、木造の場合は鉄骨造より軽量化され、基礎が小さくなり、工期も短くなるのでコストダウンが図れると利点を説明。また、大企業は、炭素排出量の削減やESG投資家への訴求、従業員のウエルネス向上などを目的にして木造ビルへの関心を高めているとの見方も示し、こうしたニーズに応えていくためには、材料強度が明確で構造計算が可能なJAS機械等級製材や集成材などの供給力を高めるとともに、木材の品質・性能を“見える化”する必要があるなどとアドバイスした。
(2026年2月4日・25日取材)
(トップ画像=芦北町総合コミュニティセンターの図書館エリア)
『林政ニュース』編集部
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