「Sustainable Forest Action(サステイナブルフォレストアクション)2020」をきっかけに起業した(株)フォレストーリー(栃木県宇都宮市、渡部真之助社長)*1が山林内で模擬戦闘を行うサバイバルゲーム(サバゲー)事業を軌道に乗せてきている。事業の拡充に向け、50万円の資金調達を目標にクラウドファンディングを行っており、渡部社長は、「レンタル用光線銃などを増やしてサバゲーの魅力を高め、林業の知名度アップにつなげたい」と話している。
同社が実施しているサバゲーのフィールドは、おもちゃの町といわれる栃木県壬生町内にある。地域住民が管理している約18haの広葉樹林を借り、このうち約4haをゲーム用に使用。サバゲーイベントは月に1回のペースで開催しており、60人近くが参加したこともある。1人当たりの参加費は、弁当代、保険料込みで3,500円。収益の一部は山主に還元しているほか、町内の割烹料理屋や温泉施設と連携して地元に“お金を落とす”仕組みも構築。地元の森林保全のコンサルティングも請け負う。地域おこしの一環として、壬生町も同社の活動を支援している。
同社は、SFAで200名を対象に実施したアンケート調査で、山林内でやりたいことの第2位にサバゲーがランクされたことを踏まえ、事業化に踏み切った。サバゲ―には、「戦争ごっこ」とのイメージがつきまといがちで、地元との“対話”が不十分だと反対運動が起きることもある。同社は、イベントの冒頭で林業の現状や事業の趣旨などを必ず説明しており、理念に共感した参加者のリピート率が高くなっている。
今後は、企業や団体向けのフィールド貸し切り事業や、撮影フィールドとして提供するサービスなども行うことにしている。
( 2021年8月10日取材)
(トップ画像=森林空間を利用して開催している「サバゲ―」にはリピーターも多い)
*1第3回SFAスタート、智頭町で合宿し300万円目指す
『林政ニュース』編集部
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