長野県林業大学校(長野県木曽町、千村広道校長)は、来年度(2026年度)から新カリキュラムをスタートさせて、“未来の林業”を担える人材の育成を進める。1979年に開校した同校では、1学年20名の学生が全寮制で2年間にわたって林業に関する専門的な知識や技術を学んでおり、県外からの入学者もいて定員を満たす状況が続いている。
この実績をベースに、来年度からはスマート林業や森林サービス産業などに関する授業を充実させて、“学びの質”を高める。同県では、新たなイノベーションの創出を目指す「木曽谷・伊那谷フォレストバレー」の取り組みが始まっており、同校はその中核機関として幅広い視野を持った人材の育成を進めることにしている。
新カリキュラムでは、ドローンや高所作業などの資格を取得できるようにするほか、2年次からの選択コースを「マネジメント」と「スペシャリスト」に再編して、現場に精通するだけでなく経営や企画に関する能力も高められるようにする。また、新たに「パートナー事業者」制度を創設して、産業界全体で同校の運営を支える体制を構築する。
来年度の入学生募集期間は、推薦が9月26日(金)から10月10日(金)まで、一般が11月12日(水)から21日(金)までを予定しており、7月26日(土)と8月24日(日)にはオープンキャンパスを開催する。
現役のハンターを招いて初の「狩猟者確保・人材育成特別講座」
長野県林業大学校は、6月6日に「狩猟者確保・人材育成特別講座」を初めて開催し、2年生の20名が受講した。現役のハンターで県認定管理捕獲技術者の小幡唯氏と木曽猟友会事務局の竹内美穂氏が講義を行った後、2班に分かれてシューティングシミュレーターの体験と鹿皮クラフト(コインケース)の作製に取り組んだ。

野生鳥獣による農林業被害が深刻化していることを踏まえて初の「特別講座」を企画・実施したところ、参加した学生のほぼ全員が内容について「楽しかった」と評価し、将来的な免許取得に意欲をみせた学生が約7割に上った。関係者は、来年度以降も続けることを検討している。
(2025年6月2日取材)
(トップ画像=来年度(2026年度)の学校案内の表紙)

『林政ニュース』編集部
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