7月20日に投開票される参議院選挙などを視野にして、林野庁などが選挙ポスター掲示板に国産材合板を使おうという呼びかけを強めている。鉄やアルミなどが使われてきたポスター掲示板の材料を国産材に転換できれば新たな需要を生み出せる。国政選挙で全国に設置される選挙ポスター掲示板の数は約30万か所と推計されており、掲示板1か所で合板を1枚以上使うと約30万枚の合板需要が発生する。これは普通合板(厚さ6~12mm)の1か月分の生産量の約2割に相当する。
選挙ポスター掲示板への木材利用状況を把握するため、林野庁は1月8日から2月14日まで全市区町村を対象にしたアンケート調査を行い、1,227市区町村から回答を得た(回答率70.5%)。その結果、42%の市区町村でポスター掲示板に木材を使用していることがわかった。ただ、使用実績には地域的なバラツキがあり、「木材を使った」と回答した517市区町村のうち、国産材を使っているのは53市区町村にとどまった。
需要の掘り起こしが必要なことから、林野庁は4月25日付けで木材産業課長名の通知を全市区町村に出し、調査結果を伝えるとともに、国産材合板の利用を呼びかけるチラシを配布した。

過去にも2013年から翌14年にかけて、林野庁や全国木材組合連合会、日本合板工業組合連合会などがポスター掲示板への国産材利用を関係方面に働きかけたことがあった。今回の呼びかけが全国の市区町村にどこまで届くか、参院選の結果とともに注目される。
(2025年6月23日取材)
(トップ画像=選挙ポスター掲示板への木材利用状況)

『林政ニュース』編集部
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