木青連全国大会を22年ぶりに奈良県で開催

木青連全国大会を22年ぶりに奈良県で開催

日本木材青壮年団体連合会(木青連、東京都江東区)は、5月24日に奈良県奈良市の奈良春日野国際フォーラムで「第70回全国会員関西大会」を開催し、全国から約550名が参集した。

長谷川泰治会長「木の力が世界を変える」

同大会が奈良県で行われたのは22年ぶり。4月1日付けで今年度(2025年度)の会長に就任した東京都の長谷川泰治氏((株)長谷川萬治商店代表取締役社長)が所信表明を行い、今年度のテーマとして「木力」を掲げ、都市の木造・木質化や被災地支援などで木材・木材産業の役割が益々重要になっているとの認識を示した上で、「木の力が世界を変える」と強調した。

来賓として、奈良県第2区選出の高市早苗・衆議院議員も駆けつけ、「木青連のような若い方々が力を合わせ目標を1つにして進んでいけば、日本はまだまだ強くなり良くなる。大いに期待している」とエールを送った。

来賓として挨拶する高市早苗・衆議院議員

今年度の事業活動では、昨年度(2024年度)からスタートした「Bundle」*1をバージョンアップし、木材業が「なりたい職業1番」になるようインターンシップ紹介事業やイベント、セミナーなどを実施する。また、災害や事故に備えた広域連携体制の強化にも取り組む。木青連は、2022年に全国木造建設事業協会(東京都中央区)と災害連携協定を締結しており、能登半島地震では応急仮設住宅の建設に必要な資材等を迅速に供給して復旧・復興に貢献している。今年度は、4月1日に発足した「ウッドトランスフォームシステム協会」(東京都江東区)を活動母体とし、木材製品等が災害時にも役立つ商品ラインナップの拡充や普及啓発に取り組む。このほか、会員向けメールマガジン『ウッディレター』の外部向け発信を開始し、「木材活用コンクール」の評価項目に「木造DX」、「木工工作コンクール」に新カテゴリー「木のおもちゃ」を追加する。

新設のMSRに契約・事務関係業務を集約化し、効率化目指す

第66代木青連会長の長谷川氏が社長をつとめる長谷川萬治商店は、1921年に創業した老舗木材企業で木材の仕入れ・販売、住宅用部材の加工、建築施工、不動産の売買・管理など幅広い事業を展開している。近年は、板材を「木ダボ」だけでつなぎ合わせた木質材料「DLT」*2の普及にも力を入れている。

第66代木青連会長の長谷川泰治氏

なお、木青連の会長は1年ごとに交代するため、契約・事務関係が煩雑になる傾向がある。これを解消するべく4月1日付けで一般社団法人MSR(東京都江東区)を設立しており、契約や事務に関わる業務を集約化して効率化を図ることにしている。

木材活用コンクールの大臣賞に「エバーフィールド木材加工場」

全国大会に併せて、「第28回木材活用コンクール」と「第49回全国児童・生徒木工工作コンクール」の入賞作品が発表された。

「木材活用コンクール」では、小国杉(熊本県)の一般流通材を用いたトラス構造で大空間を実現した「エバーフィールド木材加工場」が農林水産大臣賞(最優秀賞)を受賞。国土交通大臣賞(同)には、「十津川村災害対策本部拠点施設」が選ばれた。

「全国児童・生徒木工工作コンクール」では、農林水産大臣賞に、三重県熊野市立金山小学校2年・峪中結月さんの「木カツ」、岐阜県高山市立花里小学校6年・谷口未空さんの「6年間の思い出」、栃木県那須町立那須中央中学校1年・髙田征希さんの「花信風」、文部科学大臣賞に奈良県桜井市立安倍小学校5年・松井春樹さんの「鳳凰」をそれぞれ選定した。

桜井市立安倍小学校5年・松井春樹さんの「鳳凰」

(2025年5月24日取材)

(トップ画像=「第70回全国会員大会」を奈良春日野国際フォーラムの能舞台をメインにして開催した)

『林政ニュース』編集部

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